旅好きなひとに浮世絵をおすすめしたい3つの理由

凱風快晴 文化芸術

旅好きなひとには浮世絵がおすすめです。浮世絵の世界について知ることで、旅行での楽しみが増えると言っても過言ではありません。

今回は、旅好きな人になぜ浮世絵をおすすめしたいかについて3つの理由を説明します。

欲しいもん
欲しいもん

浮世絵をあまり見たことがなかった人も興味を持つきっかけになれば嬉しいです!

バーチャル国内旅行ができる

江戸時代の旅人

浮世絵を見ながら、日本中をバーチャル旅行することができます。

国内のさまざまな場所を描いた浮世絵を見ながら、自分もその場に行った気分に浸りましょう!名作が集まっている、旅好きにおすすめの「東海道五十三次」についても紹介します。

歌川広重
歌川広重

わしの絵。

浮世絵を参考に、次に行ってみたい場所を見つけるのもアリですね。

季節も場所も飛び越える

絵画の魅力のひとつは、季節や場所を飛び越えて絵画の中の世界に入り込めるところです。

特に浮世絵は、その場の雰囲気や空気感を巧妙に伝えた作品も多いです。にぎやかな話声が聞こえてきそうな宿場町や、見ているだけで寒さに震えそうな冬の景色など。

写真がなかった時代に、たった1枚の絵でそこにいた気分にさせてくれる浮世絵の魅力たるや、すごいものです。

名シリーズ「東海道五十三次」

旅気分を味わえる浮世絵として、みなさん一度は耳にしたことがあるであろう「東海道五十三次」をご紹介!

東海道五十三次は、歌川広重によって東海道53の宿場町を題材に作製された、風景浮世絵のシリーズ作品です。

起点の日本橋と終点の京師(京都)を含む55か所を題材にしています。東海道近辺に住む方は最寄りの絵を見つけて楽しむのものよし、遠くの方は東海道五十三次を巡って旅をするというのも一興です。

旅先の昔の様子を知れる

東海道五十三次_日本橋

浮世絵を通して、描かれている昔の様子を知ることができます。

浮世絵は、写真がなかった時代の人々の生活を知るための貴重な資料でもあります。

浮世絵を通じて過去を存分に楽しむ方法を紹介します。

昔と照らし合わせて時間旅行が楽しめる

江戸時代の名所は、浮世絵でも「名所図(などころず)」と呼ばれるジャンルで描かれて親しまれていました。

そのような場所を訪れてみて、江戸時代の景色と今の景色を見比べてみれば、時間を超えた旅行、時間旅行ができること間違いなしです!

名残が残っているところもあり、雰囲気ががらっと変わってしまっているところもあります。上の「日本橋」の絵を今の日本橋と比べると、みなさんはどう感じるでしょうか。

描かれた風景が今も残っている浮世絵として、東海道20番目の宿場町「鞠子宿」の絵があります。この絵に描かれたとろろのお店「丁子屋」さんは、今も同じ場所で営業されていますので、浮世絵の世界に入り込むことができる場所のひとつです。

現代の文化について考えるきっかけになる

当時の町人文化を表した浮世絵を見ることは、現代の文化について考えるきっかけになります。

例えば、浮世絵の中でも一台ジャンルである「歌舞伎絵」。当時の歌舞伎役者の顔と名前が描かれ、浮世絵としてひとびとの手に渡りました。

数多くの歌舞伎絵が描かれたことは、江戸時代のひとびとが歌舞伎に夢中になっていた証でもあります。

ちなみに、浮世絵にはこんな役割もあったそうです。

歌舞伎にも浮世絵にも新たな役割が生まれます。それは、流行や情報の発信源になること。(中略)浮世絵には、町の情報が満載。役者や花魁などスターの姿から、町の風物や色恋沙汰までが描きうつされ、大衆メディアとしての存在感をどんどん強めていったのです。

日本文化の入り口マガジン和楽 「知らなかった!歌舞伎と浮世絵の切っても切れない関係がスゴイ!」より

現代でいうと、歌舞伎役者はさながらアイドル、インフルエンサーといったところでしょうか。浮世絵はブロマイドやテレビ、SNSのような役割を担っていたようです。

浮世絵を通じて昔の文化を知ることで、今の文化について考えを深めることができそうです。

あなたの旅が現代の文化を作っている

街中を歩く現代のひとびと

浮世絵を通して、「いま旅をすることが、現代の文化を作っている」と認識できます。

はてな?なひと
はてな?なひと

ちょっと何を言ってるのか意味がわからん…

ふわっとしすぎて何を言っているかわからないと思いますので、詳しく説明していきます。

過去を知ることで、未来はどうなっているか考えてみたくなる

過去を知ると、その逆の未来はどうなっているのか考えてみたくなります。

例えば、旅先でこんな経験をしたことはありませんか?

旅に出たい人
旅に出たい人

この鍾乳洞は1万年かけてここまで伸びました!

旅のもの
旅のもの

(ほな1万年後はどこまで伸びてるんだろうか…)

って気になった人も多いのでは。

いま浮世絵の世界を見ると、200年前の人たちが旅していた様子を知ることができます。

今から200年後、現在旅をしているわたしたちはどのように紹介されていると思いますか?

「2000年ごろの観光地は、〇〇がにぎわっていました。」とか「旅の思い出をSNSで公開することが楽しまれていました!」なんて紹介されているかもしれません。

その旅の文化、歴史の一部を作っていたのは自分たちだと思うとちょっとワクワクしてきませんか?

日常生活が芸術作品になる

浮世絵に気づかされることは、「普段の娯楽が芸術作品になる」ということです。

そもそも浮世絵は、浮世(=現世、現代)をテーマにした絵であり、ほとんどはその時代の庶民の娯楽や流行を写実したものでした。

当時の人は、街中で踊る姿や座敷で遊ぶ姿など、美術館に飾られる絵になるとは思っていなかったでしょう。それがいまや、芸術作品として美術館に立派に展示されています。

欲しいもん
欲しいもん

いまのあなたの生活も、いつか有名な芸術作品になるかも!

余談ですが、当時の人が浮世絵をあまり大切には扱っていなかった結果、浮世絵はゴッホやモネに影響を与えたというエピソードもあります。そのエピソードか少しご紹介。

世界の絵画に影響を与えた浮世絵

江戸時代、日本の漆器や陶磁器は海外からも人気がありました。輸送のためそれらを包装していたのが、そう、浮世絵でした。

その浮世絵を見た西洋人たちが浮世絵を気に入り、日本から取り寄せるなどして必死に収集したそうです。

その影響を大きく受けたゴッホやモネは、浮世絵にインスパイアされた作品をいくつも残しています。

モネのラ・ジャポネーズ

これは浮世絵に影響を受けた作品のひとつ、モネの「ラ・ジャポネーズ」です。着物やうちわの柄に用いられているだけでなく、画の構図自体が、浮世絵の「立美人画」を参考にしているとも言われています。

まとめ:浮世絵を知ると旅の楽しみが増える

今回は、旅好きな人になぜ浮世絵をおすすめしたいかについて3つの理由を説明しました。

浮世絵を知ると、旅について違う見方ができるようになり。旅の楽しみが増えるかもしれません。

ちょっとでも興味が湧いてきた方は、ぜひ美術館に足を運んで、浮世絵の世界と自分の旅をつなげてみてください!

タイトルとURLをコピーしました